胆嚢は体の中の消化器官の一つです。胆石ができる場所でもある胆嚢ですが、どんな臓器なのでしょうか。
結石ができるのは分かっていても、どんな働きをしているものか知っている人は少ないのではないでしょうか。胆嚢は肝臓と重なるように位置していて、肝臓から分泌される胆汁をためておく器官です。
胆嚢は、正確には中鎖骨線と9番目のあばら骨の先が交わった場所の皮膚下にあります。胆汁を受け入れるため、また、十二指腸に胆汁を排出するために胆管によってそれぞれにつながっています。
形は洋なし型(なすび型という人もいます)になっています。食べ物が腸内に入ってきたときに、胆嚢に溜めていた胆汁を出し、消化を助けます。主に脂っこい食事をとったときに多く出されます。胆嚢の場所を知っていれば、痛みがあったときに胆嚢炎や胆石を疑うことができますね。
知らずにいると心臓発作と間違う場合もありますので注意が必要です。そのことについては、また別のページで触れていきます。
胆嚢は体の一部ですから病気になるのは胆石ばかりではありません。ポリープもできますし、腺筋症やがんなどの病気になる場合もあります。
痛みがそれほどないからといって、胆石を治療せずにそのまま放っておくとがん化する場合もあるのです。それに、胆石もできる場所によっては命に関わる場合もありますので、早めに病院を受診して、医師の指示の下で治療を行うようにしましょう。
胆嚢で一番ポピュラーな病気が胆嚢炎と胆石ですね。稀に上に挙げたような病気にもなりますが、胆嚢炎は炎症を抑える治療をしますが、胆石などでは胆嚢を摘出する手術を行う場合があります。
腎臓や卵巣は2個ありますので摘出しても問題なさそうですが、胆嚢は摘出しても体への影響はないのでしょうか。胃などは摘出しても、徐々に体に適応して胃のようなものができてきますが、胆嚢はどうでしょう。
胆嚢は胆汁を濃縮して溜めておき、必要に応じて排出するものです。ですが、胆のうがなくても、胆汁が作られるのは肝臓なのですから、貯蔵する場所がなくなるだけで問題はありません。
しいていえば、濃縮して貯蔵する場所がなくなり、肝臓から直接胆汁が腸内に送り込まれるので、濃度が薄く、体が慣れるまでは便が緩くなりがちだということくらいでしょうか。
胆石を起こして摘出術を受ける胆のうは、一緒に胆嚢炎を起こしていることがほとんどで、その場合の胆嚢はすでに機能していないものが多いのです。機能していない臓器を摘出してしまっても、なんら問題はないということです。
稀に胆嚢摘出後症候群というのがみられる場合がありますが、本当に稀なケースですので、いたずらに怖がることはありません。術後に少しでもおかしいと思うことがあったら、手術を行った外科医に相談するのが一番です。
胆嚢は胆汁を濃縮してためておく器官です。脂肪の消化を助けるのに活躍していますが、胆嚢を摘出してしまった後の食事はどうなるのでしょう。
徐々に体は慣れてきますし支障が出るわけではないのですが、胆汁が直接肝臓から十二指腸へ送られるため、全てが以前と全く同じというわけにはいきません。やはり、焼き肉などを食べたあとは摘出前と違うなと実感します。普段の食事には問題ないのですが、肉類を食べた次の日の便通がいつもと違います。
うまく消化されていないんだなというのが自分でもわかるのです。普段はすんなりある便通も、思うように出なくてスッキリしません。ようやく便通があったと思うとすぐお腹をくだしてしまいます。焼き肉を食べたあとは必ずですので、やはり胆嚢がないことが影響しているのでしょう。