胆石症と診断されたら治療が必要です。どんな治療を施すのでしょうか。
もちろん手術もありますし食事療法もあります。ここではそれ以外での治療方法を紹介していきましょう。人間の心理として、できれば切らずに治したいものですね。
読んだとおり、口から飲んだ薬で胆石を溶かしてしまおうという治療方法です。
この方法では胆嚢は残りますが、治療に長期間かかり、胆石の再発のおそれもあるのが欠点です。治療期間には幅があり、6~36ヶ月かかります。
効果がでるのも10~30%と高い方ではありません。
メリットといえば切らなくて済む、入院の必要がないということでしょうか。ただ、胆石の種類によっては効果がないものもあります。
コレステロール系の結石でないと効かないのですが、開腹してみなければ結石の種類も分かりません。飲んでみて効果がないようであればいよいよ胆嚢摘出術となるわけです。
薬の働きは、胆汁の成分を変えて胆石を溶かしてしまおうとするものです。経口溶解剤を使用して治療する場合には、疝痛発作が起きたときのために鎮痛剤も常に必要になります。長期に渡る治療になるため、食事にも気を使わなければいけません。
手術をして短期間で治す方がいいのか、経口胆石溶解剤を用いて、体に傷をつけずに治療する方がいいのかは主治医とよく相談しましょう。
この方法も、体にメスをいれることなく治療できる方法です。
しかし誰でも行えるわけではありません。
衝撃波によって胆石を細かく砕いてしまう方法ですが、確実に結石が胆嚢にできている場合、結石の数が3個以下の場合、胆石の種類がコレステロールで出来ている場合、また、胆嚢炎を併発していない場合に限られます。胆嚢炎を起こしている場合には、胆嚢が炎症を起こして肥大し、胆嚢壁が薄くなっているので衝撃波に耐えられないのです。
胆石の場合、胆嚢がすでにうまく機能していないこともあります。体外式衝撃波破砕療法を行う場合は結果として胆嚢が体に残りますので、きちんと機能しているかどうかも問題になります。
こうしたことから、この治療方法を行うには綿密な検査が必要になりますが、1度の治療に要する時間は1時間程度で、通常4~5回繰り返して処置しますが、10mm以下の胆石でしたら、1度で消失してしまう場合があります。
細かく砕かれた結石は、胆嚢の収縮によって消化器官へと押し出されていくという治療法になります。
最近で主流の治療法は、レーザー治療の内視鏡手術になってきています。
胆嚢炎や胆石かもしれないという不安を抱えながらも、病院を訪れないで放置している人がいます。また、症状が軽い、無症状胆石である場合も一緒です。
病院嫌いも分かりますが、胆石を治療せずに放置しておくのはよくありません。
それではどんな弊害が出てくるのでしょうか。
胆石の場合は、急性胆嚢炎を併発していることがほとんどですが、症状が軽い場合、胆石が認められているけれども痛みのない無症状胆石の場合などは、そのまま放置しがちです。早めに治療しておけば済むことなのですが、放置していたために急性胆嚢炎になってしまう場合があります。
自身の場合は初期症状に気づかずに、そのまま数年放置して急性胆嚢炎を併発しました。詳しくは「胆嚢炎」のページで説明していますので参照してください。
総胆管結石の場合、放置しておくと結石が膵液の出口を塞いでしまいます。
そうなると膵臓が炎症を起こしてしまいます。さらに放置すると致命的になる場合がありますので、億劫がらずに消化器科を受診しましょう。
結石が十二指腸への出口を塞いでしまうので起こるものです。
胆汁が消化を助けるために腸に排泄されますが、それができなくなるために黄疸がでます。肝機能障害が生じ、尿の色も濃く、便の色は薄く白っぽいものになります。
ごく稀にですが1~2%の割合で胆嚢がんを発症します。
胆石を放っておくことにより、慢性的に刺激が加わるために発症するのではないかと言われていますが、因果関係はまだはっきりしていません。
とにかく、背中や胸部に違和感を覚えたら病院へ行くべきです。放置したときの合併症を見てもお分かりになるように、決して体にいいことではありません。
自分の体や胆石に合った治療法でしっかりと治す事が大切です。